えちご上越農協労働組合のHP

2011年度 運動方針

1.農協合併・労組結成10年のあゆみ

  1. 2001年(平成13年)3月に旧7農協が広域合併して、えちご上越農協が誕生し、はや10年目を迎えました。この間、全中の方針を基本に「経営改革」の名の下で、施設の統廃合や機構再編が進められ、農協の運営が農家組合員や地域とかけ離れたところで進められる傾向が、続いてきました。特に、2004年からは、支店・出張所の再編計画がすすめられ、2007年春には、合併時の78支店・出張所体制を3分の1に縮小する26支店体制への統合が完了しました。しかし「合理化」の成果はいまだ見えず、経済不況が深まる中で、事業量の伸び悩み、収益の減少が続き、一時金の予算も回復できない状況が続いています。仲間の思いは、仕事と職場の見通しがもてない中で、「農協はどうなっていくのか」という不安が、絶えず付きまとい、特に若年層では、給与の伸び悩みの中で、将来の生活設計に不安が広がっています。
  2. 労働組合は、合併一ヵ月後には、統一労組を立ち上げ、次々と起こる問題に団体交渉などで対応を重ねてきました。特に、一時金の格差支給攻撃では、労組員が一致団結して運動し、理事者にもその不当性を訴える中で、経営側についに導入を断念させることができ、今日に至っています。一方、2002年2月には、「労働者状態調査」を実施し、合併一年後の農協と職場、労働組合の状態を明らかにする中で、経営者とのやり取りだけでは、今の事態を大きく変えていくことができないことを総括し、労組活動の中心を農家組合員との協同づくりに据えていこうとの方針を掲げ、執行部を中心に、「営農・販売事業検討会」を重ね、改めて、農家の実態や思いをつかむことから始めようと、2003年3月・4月には、妙高村の「地域調査」を実施し、2004年8月には旧三和村の「地域調査」を実施してきました。しかし、その後、調査結果を運動には生かしきれず、一方で、農協の再編がどんどん進むなかで、労組の求心力も弱まり、徐々に組織の後退を余儀なくされてきました。この状況を打開するために、改めて、合併5年間を総括しようと、2006年10月に合併後2回目の「労働者状態調査」を行いました。2007年からは横のつながりを強めようと、青年担当者を中心にスポーツ・交流行事を次々と企画して仲間の参加を徐々に増やし、活動の発展をめざして、今年1月25日には、念願の「青年部」の設立を果たしました。一方、今年2月4〜5日には、労組結成後3回目となる「労働者状態調査」に取り組み、後退と前進の局面を仲間の状態と思いから整理し、改めて運動の方向性を見出していこうと現在、調査まとめの最終段階に入っています。また、4月には、長年、粘り強く交渉を重ねてきた「振休問題」がやっと解決し、労使協定も締結され、一定の前進を勝ち取ることができました。今後、ただ働きを許さない職場風土の確立が求められています。

2.合併10年後の農協の現状をどうみるか(状態調査結果より)

  1. えちご上越農協に広域合併して10年、経営効率至上の事業・施設の統合再編、大型施設の新設・統合、水田再編にともなう大型集荷・流通施設や葬祭・福祉事業の拡大、人員削減・臨時職員化、渉外体制の拡充、一時金の大幅削減、そして4年前の支店統廃合などが強圧的な体制のもとですすめられ、合併前に培ってきたそれぞれの農協の特性が堀りくずされ、地域での協同と職場のつながりが大きく壊され、協同組合としての農協が、地域の農家組合員とのかかわりにおいても、職場のつながりにおいても、著しく後退を強いられてきました。
  2. 体制の変化から3年、「減収増益」路線は引き継がれてはいるものの、強圧的なすすめ方はうすれ、農業の全体としての後退が深まったこともあって、事業展開においても、仕事のすすめ方においても、ちぐはぐで不合理な面が目立つようになっています。超広域化した農協が、それぞれの地域の農業と組合員の状態にかみ合った協同活動を土台にした組織と事業をすすめていくためには、あらためて組織と事業を再構築していくことが迫られています。
  3. この10年、組織と事業、職場の再編・合理化のもとで、個々の部署、管理職、一人ひとりの担当者の努力と、農家組合員の支えと組合員との信頼関係を通じて、培ってきつつある「組合員とのつながり」を大切にする機運、職場の横のつながりを強めようとする努力などが、数字とノルマを課すことだけの経営体制の再検討を迫る状況をつくり出しつつあります。しかしまだ、体制も含めた農協のシステム全体をつくり変えるところまでの力をもつには至っていません。

3.労働組合の現状(状態調査結果より)

  1. ひき続く合併のなかで、さまざまな労働組合が一つにまとまっていく困難を克服しつつ、労働者・労働組合の権利を守り、要求を大切に、農家組合員とともに職場と農協の発展をめざすスジを通した労働組合を維持し続けています。えちご上越への合併後の10年、「効率優先の経営改革」が強圧的に押しつけられるなかで、大量の中途退職者を出し、臨時職員化・一時金切り下げをはじめとする労働条件の切り下げ・管理強化に抗して、組合員数の減少を強いられながらも、組織と活動が継続的に維持されています。
  2. ここ数年、強圧的な経営姿勢がうすれ、一時金の改善の傾向も出はじめていることもあって、職場の労働組合の活動が見えないという傾向が強まっています。一方、青年層の交流活動として取り組まれてきた野球大会、ソフトバレー大会が、非組合員も含めた活動として年々参加が広がり、それらの活動を土台に青年部結成に至ったことに見られるように、五つの支部単位の懇親会や臨時職員の懇談会などが広がるなど、職場の和、働きやすい職場づくりを意識した取り組みが強まり、労働組合のまとまりは深まってきており、非組合員の仲間をも含めた職場に存在感を広げてきています。
  3. 組合員の減少傾向は続いていますが、組合員が比較的多い職場では新入職員の加入は当然のことという受け止めが多く、職場での組合員とその活動が一人ひとりの労働組合への意識をつくり出していることを示しており、「組合費が高い」「加入のメリットがない」といった、これまでの脱退の「原因」が大きな影響をもたなくなる状況が生まれています。スジを貫き通してきた労働組合が、職場には、なくてはならない存在としての位置を持ちはじめてきています。しかし、職場によっては、ほとんど組合員がいないところもあるなど、職場ごとに条件が違い、そうした状況が農協全体を覆うことにはなっていません。
  4. スジを通した労働組合の担い手を増やしていくこと、とりわけ若い世代に引き継いでいかなければならないことは、労働組合の活動を多少でも担い始めた仲間も含めて、誰もが共通して感じています。そして、「労働組合は誰のためでもない、自分のための活動だ」という意識や「労働組合づくりは農協づくり、労働組合がシッカリしてこそ、農協の発展もある」ということを実感できる条件が深まり、「課題を担う」ということでなく、自分たちで労働組合をつくっていこうとする意欲をもつ若い仲間たちが生まれてきています。
  5. 大量の中途退職者を出し、また、脱退者が後を絶たなかった困難な時期をくぐってきた仲間の一部には、脱退者や非組合員を非難し、排除すべきだという意識がまだ強く残っている面があります。また、一面では、未加入者も含めた交流・スポーツ活動などを通じて、職場と農協をより良くしていくために、そうした意識を乗り越えていこうとする流れも強まってきています。

4.いま、わたしたちに求められていること(状態調査結果より)

  1. 農協・職場として、いま問われていること
    @「効率優先の経営改革」は、支店統廃合・人員消滅で行きつくところまできてしまっています。この10年の組織再選で、葬祭・福祉分野の拡大がある一方、営農・経済をはじめ、一部を除いては農業情勢の推移のなかで、十分な対応をしきれないまま、後退を強いられてきています。事業体制も、本店と現場との乖離が目立ち、広域化したもとでの運営体制を確立したとは言いがたく、現場の「自己責任」で、その年々の経営を維持している状況にあります。
    A強圧的な体制からの変化のなかで、今後どうしていくかの方向づけが職場からは見えない中で、それぞれのところで戸惑いが生まれています。この10年の到達点をふまえ、あらためて組合員・地域の状態を汲み尽くして、今日の事態をふまえた協同活動と事業の再構築の方向を出していくことが問われています。その際、欠かせないことは、合併前の旧農協が地域組合員とともに蓄積してきたものが、この間、どのように壊されてきたのか、現状はどうなのか、今後どうしていくことが求められているのかといった、地区センターごと、あるいは旧農協ごとの農業と地域の検討をふまえることが大切です。
    Bこの間、困難な条件のもよで、それぞれの担当者・管理職・支店等の事業所のところで、組合員・地域の要望に応えて努力・工夫してきた仕事のすすめ方、横のつながりや協力の重視などの取り組みをはじめ、組合員・地域で、また職員・職場での経験や英知を十二分にふまえ、地域・職場から組み立てていくことが必要です。
  2. 労働者・労働組合に求められていること
    @この間、若い仲間たちを中心に広がってきている交流活動をさらに広げ、労働組合の存在を、現状では、ほとんど見えない状況にある福祉の職場をはじめ、すべての職場にその存在を知らせていくことが必要です。
    A1300人、上越全域を覆う労働組合にふさわしい組織体制と運営体制を、これまでの経験をふまえて、新しい担い手を増やしていくことも含めて、つくっていくことが大切です。日常の労働組合活動を誰もが知ることができ、参加し、理解を深めることができるようにするために力を尽くしていくことが大切です。
    Bこの間すすめられてきている支部ごとの懇親会・懇談会はもとより、それぞれの支部が、支部組合員の状態に適った活動を自主的にすすめていけるようにしていくことが大切です。
    Cそれぞれの仕事を通して、地域・農家組合員を見る眼を大切に、農業と農協、経営と事業、仕事のあり方・すすめ方に、より積極的に関わっていくことが大切です。

5.2011年度の運動方針

  1. 農協の組織と事業のあり方にかかわって、今の問題点を明らかにし、積極的な改革の方向を示すことのできる力をつけていきます。また、農家組合員から農業の現状を学んだり、食と農の「学習」を企画するなど、農協職員のスキルアップを図る取り組みをすすめます。
     @「金融渉外・LA担当者懇談会」、「営農経済・TAC担当者懇談会」の定期開催
     A地域の農家・組織との懇談会、交流会の開催
     B「食の検定・食育級」検定試験の現地開催
  2. 働き続けられる労働条件をめざして〜春闘、一時金、時間外、退給、福利厚生など、みんなの切実な要求をまとめて、粘り強く交渉していきます。とりわけ、「人事異動のルールの確立」(正職員登用含む)については、アンケートや職場集会で職場実態を把握しながら、具体的な要求を練り上げ、団交を重ねていきます。
  3. 職場一人一人の仲間に責任を負える「労働組合」を職場からつくっていけるよう、幅広い取り組みをししめます。
     @支部・分会体制の確立・強化、「職場集会」の定例化
     A地区別臨時・パート労組員交流会の開催
     B学習・スポーツ・交流活動の充実 〜 青年部活動と連携した内容の充実

     C広報誌の発行、ホームページ・携帯サイトの活用等、広報活動の強化

    

以上




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